AdFraud情報共有プラットフォーム

背景

AdFraud情報共有プラットフォームは、AdFraudを始めとした不正アクセスに対する情報を共有し、健全なマーケットの創出を目指すオープンプラットフォームを開発するプロジェクトです。

近年、AdFraud(アドフラウド/広告詐欺)が、反社会組織の大きな資金源になっていると分析結果が発表されています(参考: The Business of Hacking)。一方で、ネット広告による投資は、右肩上がりで推移している上、企業が個人や組織にマーケティングするためのツールとして必要となっています。

その中で、CA Wiseでは、BOSATSUをはじめとしたAdFraud等の不正対策情報を収集し、提供してきました。また、ブロックチェーンスタジオでは、 APIs プロジェクトにてブロックチェーンと暗号技術を利用し、インターネット上で相互提供される情報を秘匿転送するプロトコルを開発していました。さらに、このデータ転送技術とデータマイニングにおけるデータジャケットの考え方を導入することで、データの利用目的に応じたデータを検索することができます。

このような背景があり、本プロジェクトでは、これらの情報と技術を活用し、不正対策の情報を保持する組織が相互に情報交換できるコンソーシアムの構築を目指します。このコンソーシアムでは、既に利用実績のある不正対策情報や、各社が健全と判断したホワイトリスト等のネットワーク情報を公開し、これらの情報を利用したい企業が利用目的と共に申請することで取得することができます。これにより、それぞれの組織における不正対策を改善していければと考えています。また、提供された情報を2次利用されることを防ぐため、何の情報をどう利用するのか、データ提供組織とデータ利用組織間で電子契約を締結し、この情報を改竄できない履歴データとして保護することで、データの2次利用を防止します。これにより、データを収集している企業の情報が漏洩して不利益を被ることを防ぎながら、不正対策情報を健全に利活用できるネットワーク構築を目指します。

BOSATSUVision

採用技術(データ転送)

ブロックチェーン

コンソーシアム内で発生するデータ交換の履歴(契約書)を管理する技術として利用している。具体的なプラットフォームとしては、Hyperledger Fabricを採用し、組織単位でのユーザ管理や、チャンネルを用いたコンソーシアムの分離、およびデータ取引のトランザクション管理のために活用している。

暗号技術

コンソーシアム内の実データ転送を、組織、もしくは個人間のみに限定するための技術として利用している。具体的には、公開鍵暗号方式によるデータ暗号/復号、および代理人再暗号方式によるデータ転送により実現している。

データジャケット

データ交換を支援するため、データマイニングの技術として利用している。具体的には、データの所有者(組織)、データを抽象化した説明を可視化し、データ検索等の支援を行えるようにしている。

Serverless Application Repository(AWS)

コンソーシアムに参加している組織へ、サービスをデプロイするシステムとして利用している。このため、LambdaやDynamoDBのようなサーバーレス技術のみで、プラットフォームを構築している。

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