Hi-Con2018に参加&協賛してきました!【後編】

先日、Hi-Con2018というEthereum開発者向けのカンファレンスが慶應義塾大学日吉キャンパスにて行われました!

主催はHi-Ether(Ethereum 開発者向けコミュニティ)さんで、CyberAgent ブロックチェーンスタジオもシルバースポンサーとして協賛させて頂きました。

曽和さんの記事鷹尾さんの記事に引き続き、午後の部のセッションのうち4つを振り返ってみたいと思います。

Block chain as a gaming platform

このセッションでは、ゲーミングプラットフォームとしてブロックチェーンを利用する場合、「考えないといけないこと」、「利用できそうなモノ」、「どんなゲームができそうか」の3点についてのトークでした。
(ちなみに、このセッションはランチセッションだったため、実はお弁当目当てに参加してました。)

ただ、この中の話で気になったのは、Ethereumに出来ていた以下2つのトークン規格です。

  • ERC998: ERC721トークンに対して組み合わせを実現する規格

  • ERC1155: ERC998でまとめたトークンを一括取引できる規格

これらの規格については、ゲーム以外でも、様々な情報をトークンとして紐づけて一括取引する場面で応用出来そうですね。

Report from Devcon4

このセッションでは、1年に1度開催されるEthereum開発者のための世界的なカンファレンスDevconの紹介に関するトークでした。
直近のDevcon4では以下のトピックについて紹介されているようです。

この中で、特に気になったのは、以下の2つですね!

  • Fluence: decentralized database network
    SQLコマンドを利用することができる分散型データベースの紹介
  • P4: Private Periodic Payments Protocol
    個人の情報をスマートコントラクトに上げずに決済できるプロトコルの実装

ちなみに、Devconの内容は全てYouTubeにアップロードされているらしいので、ピックアップして確認するのも良いかもしれないですね。

分散型ネットワークを最大限活用するためのエンタープライズイーサリアム / Enterprise Ethereum to maximize use of decentralized network

このセッションは、EEA(Enterprise Ethereum Alliance)の取り組みに関する紹介でした。
まず、EEAとは、「ブロックチェーンを利用する」と言っても、業種や企業ごとで要求される要件や仕様が異なるため、それぞれの業界での仕様を策定するための団体です。

例えば、ブロックチェーンと言ってもプラットフォームによって特徴が異なっているため、特徴をいくつかピックアップしただけでも以下のようになります。

EEAでは、このような特徴を各業界ごとに選択したような規格を作り上げることでスタンダードを作り上げていこうとしているという話でした。

分散型IDとはなにか / What is Decentralized Identity

このセッションは、本人確認の証明を免許証のような物から、ブロックチェーンを用いた分散システムで実現することに関するトークでした。
ちなみに、スピーカーの方は、Hi-Conで学生割引のシステムをEthereumで構築した方だそうです。

簡単に、内容をまとめると本セッションの内容は以下になります。

  • 現在、本人であることを確認するには、以下2つの方法があるが、それらは必要な情報以外の情報(例:性別、メールアドレス等の付随情報)も渡さなければならない
    • 免許証やパスポートなどの第三者機関が発行した証明書を利用する
    • OpenIDやOAuthを用いた大きな企業に登録したデジタルIDを利用する
  • このため、必要な場面(例:お酒を買う時の成人証明)で必要な情報のみ(例:20才以上であること)を本人が提示することで(例:レジで成人であるという確認ボタンを押す)ことで第三者機関が保証できる仕組みをブロックチェーンで構築する

例えば、Ethereumの分散型IDを管理できるuPortというツールでは、以下のように本人のIdentity管理を第三者が保証しているようです。

まとめ

現在、サイバーエージェント ブロックチェーンスタジオでは、Dataforwardと呼ばれる個人データを第三者に提供できるシステム構築を進めています。
このため、プラットフォームの選定や個人データをブロックチェーンで提供するには?と言った部分について、技術的な知見を得ようと頑張っているところだったため、本カンファレンスに参加して本当に良かったと思います。

次は、得るだけでなく、登壇者として参加して情報をシェアできるようになれるよう、頑張っていきたいと思います!

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